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1.浜松餃子の定義
浜松餃子を一言で表す定義は、『浜松市内で製造されている事』です。現在では、この定義をよりピュアにする為に、『3年以上浜松に在住して』という条件を付加しました。が、つまる所、浜松で作られている事が重要で、それが特徴と結び付くのです。
浜松の農業が盛んな地域性を活かしていて
• キャベツ:浜松市内で、もしくは隣の愛知県で豊富に作られていた。
• 玉ねぎ:今でも有名産地だが、当時から盛んに作られていた。
•豚肉:元々養豚業が盛んで、流石にその当時は値段も高かっただろうが、餃子の具にコクを出すのに使用する事が出来た。
という素材特徴を持つ事が出来ました。ですから、浜松餃子の定義である「市内で作られた」事が重要なのです。キャベツを中心にしてあっさり味でありながら、豚肉のコクを併せ持つ餃子。それが浜松餃子です。
2.円形焼き
当時、それらの食べ物は、多くは屋台で販売されました。お店を構える資金も有りません。勿論浜松に於いてもご多分に漏れず、焼き餃子は屋台で売られておりました。浜松駅周辺には、一大屋台村のようなものが出来たと聞きます。しかし、屋台で餃子を焼こうにも、当時はフライパンしか有りません。焼き餃子は水で蒸すという行程が有り、鉄板では焼けないからです。ところが、味が評判になった餃子の屋台では、押し寄せるお客さんに対応する為には、一度に多くの餃子を焼く必要が有りました。そこで考え出されたのが、円形に並べて焼くことだったのです。浜松餃子の焼き方の特徴である円形焼きは、その美味しさが全ての始まりだったのです。そして、円形に焼いた結果、これを数人前に分けるのではなく、それそのものが商品となってしまいました。何故なら、あっさり味の浜松餃子は、いくらでも食べる事が出来たからです。
3.もやしの登場
円形に焼いたが故に真ん中に出来る穴、これが気になって仕方なかった方。そして、「お刺身には妻が付いているのだから、餃子にも何か有って良いのではないか?」という方など。そこで、サービス心旺盛な浜松人の事、何かを付け合わせに、と考えた結果、これもまた容易に手に入れる事の出来た「もやし」に辿り着きました。これは画期的でした。浜松餃子にぴったりだったのです。あっさり味とは言うものの、やっぱり脂(ラードをたっぷり使った様です。これも養豚業盛んであったが故でしょう)で焼いた ものですから、食べている内に脂っぽくなります。それを、もやしが綺麗にリセットしてくれたのです。そして更に餃子が食べられた訳です。浜松人が今でも、これでもかというくらい餃子を食べるのは、やはりこういう味のコラボレーションのお陰なのでしょう。
4.こだわり
面白いのは、各餃子店は独自のこだわりを持っていて、自分のお店の餃子に合ったタレを持っています。甘めだったり酸っぱめだったり。ラー油(一味)もオリジナルが多いです。したがって、お店で食べる以外お持ち帰りをする時にも、このこだわりのタレや一味を付けて出します。一味は、油気が無い様にしてアルミホイルに包みました。今では小袋に密封されているタレやラー油を多く使いますので、あまり見なくなって来ました。しかし、それ程浜松餃子はこだわって作られて来たのです。
更に浜松でのこうした焼き餃子文化は、家庭の味にまで入り込んで行きました。夫々の家庭で、夫々のこだわりの餃子が出来て来たのです。これは、もとより工業都市の色合いの濃かった浜松では、かなり自然なことだったでしょう。ニンニクを多く利かせて、疲れて家へ帰って来るお父さんの帰りを待つ家族。不細工でも、一所懸命餡を包む子供達。そんな、一家団欒の中心には、いつも浜松餃子が在ったのです。
(浜松餃子学会HP引用)
浜松の餃子って、なかなか奥が深く、飽きがこないのは、浜松の人々が昔から受け継いできた伝統があるのかもしれません。それぞれ好きな餃子があって、みんなで食べる喜びがあるのかも・・・。
今晩の夕食は、餃子はいかかですか?
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